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GOJEKがインドネシアの最大手タクシー会社Blue Birdのマイノリティー株式を取得
GOJEKが4.3%のBlue Birdの株式を持ち株会社であるPT Pusaka Citoraをより取得した。
<ポイント>
GOJEKとBlue Birdは以前から提携をしており、GOJKE内のアプリでBlue Birdのタクシーを呼び寄せることはできた。今回の投資はGOJEKが昨年末に発表したサードパーティとの連携を強化していく戦略の一つと言える。
またGOJEKのライバル企業であるGrabは韓国のヒュンダイ自動車と組み、電気自動車での配車サービスを開始するなどの動きを見せている。
Blue Birdはテスラなどの電気自動車からバスなど29,000台の自動車を所有している。今回の投資を通じて連携を強化することで、GOJEKからも高級車や電気自動車の配車などオプションが提供されることが予測される。
GoFoodが割引のサブスクリプションのGoFood Plusなどの新サービスを発表
GoFoodは2000万人以上のユーザーを持つGOJEKのフードデリバリーサービスである。
その他にもアプリ内でのGoogle Assistantの搭載やGoFood TurboやGoFood Pickupなどの新機能を年内でリリースすることを発表した。
<ポイント>
GOJEKはプロモーションや割引によるBurn Money戦略からユーザー体験の向上にフォーカスする戦略に転換する動きがある。
Burn Money戦略は初期のユーザー獲得には大変効果があるが、他社との割引競争に走りがちなので利益を生みづらい。
Gojekは大規模な市場シェアを獲得し、プロモーションがなくても高いロイヤリティを維持していることが今回の戦略転換の背景と言える。
同様に、Travelokaなどの他のテックジャイアントもBurn Money戦略を辞める方向にある。
GoFoodは「より幸せに」という意味の#LebiHepiというマーケティングキャンペーンを行いユーザー体験の向上にフォーカスしていくといった姿勢を見せている。
Travelokaが大手Mandiri銀行と共同でクレジットカードを発行
TravelokaはRakyat銀行に次ぐ、同社二つ目となるクレジットカードを発行した。
Traveloka Mandiriカードはミレニアル世代をターゲットにしている。
<ポイント>
インドネシアでは与信がなく直前になるまで航空券の予約ができないと言った顧客の問題がある。
TravelokaはすでにPay Laterという後払いの仕組みを導入しており、クレジットカードは補完的な位置付けになるようだ。
今回のカードにはTraveloka上で航空券やホテルの予約をした場合に通常の2倍のポイントがつくなどの特典が含まれているのでロイヤリティを高めるという狙いもある。
海外旅行をする人も増えてきておりクレジットカードを通じて国外での決済などの需要も取り込むようだ。
スタートアップニュース
Jd.Idがインドネシアで6番目となるユニコーン企業になる
インドネシアのECサイトJD.idがGojekより資金調達を受け評価額が10億ドル以上のユニコーン企業になった 。今回の調達額については非公開である。
Jd.Idは中国の大手ECのJD.comとインドネシアのPE企業であるProvident Capitalの合弁会社である。
Gojekのスタートアップアクセラレーターがリテール分野での採択企業を発表
Gojekは McKinsey&Co、UBS銀行、Googleと組みアクセラレータGojek Xcelateを提供している。第3回目となる今回のテーマはリテール分野であり9社が採択された。採択企業の一覧はこちら。
デジタルウォレットのDANAが食料品のオンラインマーケットのHappyFreshと提携
今回の提携によりDANAのアプリでHappyFreshのプラットフォームの支払いがでできるようになった。
BCAがGK-Plug and Playと共同でディープテック特化のアクセラレーターを提供
BCAインドネシアの最大の民間銀行である。去年に引き続き今年もアクセラレータープログラムを提供する。
今年はGK-Plug and Playがパートナーとなり共同で行うこととなった。アクセラレーターの名前はSYNERGY Acceleratorなった。
IoTやAR・VRや人工知能や機械学習といった分野のスタートアップが選ばれる予定だ。
店舗向けのデジタルレジのプラットフォームYoutapがローンチ
Youtapはデジタル支払いや在庫管理や売上の記録や分析などの機能を有する。
Salimグループからの出資を受けている。
また、インドネシア最大の携帯キャリアのTelkomselやe-walletのLink AyaやDANAなどがパートナーになっている。
育児用品のECサイトを運営するOramiが子育てアプリをローンチ
母親向けのオリジナルの情報コンテンツや親同士で話し合えるチャット機能を提供。
ユーザーは専門家によるオンラインカウンセリングのコースなどを受けることもできる。
オンラインで子育てについて調べる母親が増えてきているので、育児のリテールやサービスの市場は伸びている。
オンライン教育のPintaraがフルスタック開発者の養成プログラムを開始
プログラムはSUPER30と呼ばれる。
参加者は6ヶ月間にわたるプログラムで技術メンターの支援を受けることができる。
また奨学金などにも応募することができる。
卒業後はJunior Full Stack DeveloperとしてMandiri銀行やKompasなどパートナーとなっている大手企業での就職の機会を得ることができる。
モバイル特化のアクセラレーターMOXにて4社のインドネシアのスタートアップが選ばれる
今回でMOXのアクセラレーターは今回で8期目となる。
インド、パキスタン、マレーシア、インドネシアから10社のスタートアップが選ばれた。
インドネシアの採択企業の一覧はこちら。
資金調達ニュース
オンライン融資のUangTemanがシリーズBラウンドで100万ドルを調達
投資は大和証券グループの関連企業ACA InvestmentとPegasusVCとSpiral VCより行われた。
UangTemanは消費者金融分野でのマイクロ融資を行っている。
オンデマンドのネット印刷スタートアップPrinterousがシリーズA出資を受ける
投資はBAce Capital、AddVentures、GDP Venture、Gobi Agung、Sovereign’s Capitalより受けた。
インドネシアの中小企業にとってデザイン、発注、梱包、配送などの課題がある。
Printerousは印刷とロジスティックを合わせたサービスを提供することでこの課題を解決している。
FMCGのB2BマーケットプレイスGudangAdaが二桁Millionドルのシード出資を受ける
投資はAlpha JWC Ventures、Wavemaker、Pavilion Capitalの3社より実施(額は非公開)。
今回の出資はインドネシアのシードラウンドの投資として過去最大のものと噂されている。
GudangAdaは配送会社や卸売業者や小売店が一つのプラットフォーム上で日用品の売買できるようにした。
AIスタートアップのEureka AIがシリーズB出資で200万ドルを調達
投資はApis Partners、Gobi Partners、Riyad TAQNIA FundとMEC Ventures等より実施。
Eurekaはモバイルのデータを分析し、意思決定に役立つインサイトを導き出すプラットフォームを提供している。
金融や自動車や日用品などの業界で利用されている。
B2Bの資材調達サイトを運営するMbizが200万ドルの資金調達を予定
Mbizは従来のサプライチェーンにおける調達の業務を簡単にする。
大企業向けの予算や経費の管理、支払いの報告、他社との比較などの機能を有する。
Mbitzはインドネシアの財閥リッポーグループより支援を受けている。
健康食品のファーストカジュアルGreenlyがシード投資を受ける
East Venturesと複数のエンジェル投資家から調達した。額は非公開である。
Greenlyは2019年にスラバヤで創業されたスタートアップである。
1つの実店舗とフードデリバリー用の4つのクラウドキッチンを持つ。
インドネシアではミドルクラスを中心に健康への意識は高まっている。
ちょこっとトレンド紹介
インドネシアのウォレット市場ではGoPayが一番人気
Ipsosが行った市場調査によればGojekが提供するGoPayが市場シェア60%と最も利用されていることがわかった。
利用者は主に移動サービスやフードデリバリーで主に利用している。
IpsosによればGoPayが人気の理由はGoPayが安全やイノベーションの点で一番優れているというブランドイメージが大きいという。また、多くの場所で決済を受け付けているのも別の理由である。
Bank Indonesiaの資料によれば取引高ベースではOVOが一番大きく、トップ2社によるウォレット市場の競争はまだまだ続きそうである。
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